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The World at a Turning Point (英語), Spartacist (English edition) 付録 , より翻訳

Spartacist 付録、2025年11月13日より翻訳された。

世界はどこへ向かっているのか?革命的共産主義インターナショナル(RCI)が主張するように、我々は「世界的な大衆運動、反乱、蜂起、革命の連鎖」を目撃しているのだろうか?それとも社会主義平等党(wsws.org)が信じるように、「リンカーンの地が…トランプとその傲慢な手先によって、専制的で、ヒトラーのような支配を目指す統治者の地へと転換しつつある」のだろうか?もしかしたら、その両方であり、「今後数ヶ月で、我々は、前革命的あるいは革命的な世界情勢を切り開くかもしれない戦争、革命、反革命の複合的過程を目にすることができるだろう」(革命的共産主義インターナショナルテンデンシー、RCIT)。トロツキストたちが我々はどこに向かっているのかに関して相反する見解を持っているなら、それは彼らだけではない。どこを見渡しても、「ファシズムの台頭」、「ドルの崩壊」、「株価のバブル」、「AI革命」、「世界戦争」といった論評を目にするだろう。首尾一貫した考えなどなく、すべての点でめまいがするほどである。

これほどの混乱があるのは、世界が急速に決定的な転換点に近づいているからである―そして嵐の前の静けさのように、我々は多くの混乱した兆候を受け取っているのである。しかし問題は残る。つまり我々はどこへ向かっているのか?マルクス主義者としてこれに答えるには、新聞の見出しから見出しへジャンプしたり、最新の世論調査を見たりするだけでは不可能である。我々は、世界の諸事件の内的動力学を理解し、主要な動向と二次的な逆流を区別する必要がある。この方法は、誤りとか予期せぬ出来事を排除しないが、印象主義に飲み込まれるのを避ける唯一の道を提供する。

我々国際共産主義者同盟は、今が資本主義攻勢の反動的時期の幕開けだと確信する。そのなかで、労働者階級の生活諸条件はここ数十年見られなかった規模で攻撃されるだろう。これは一方的な戦いになると言っているのはなく、我々がただ傍観し諦めるべきだという意味でもない。全くその逆である。それには鋼のような決意、防衛行動、そして相当な準備を必要とする。抵抗が強ければ強いほど、労働者階級はより速く攻勢に転じることができる。しかしこれを効果的に行うには、先進的労働者と社会主義運動が、諸事件のテンポと方向性の正しい理解が必要である。

残念ながら、上述した例が示唆しているように、大多数の左翼は現実と全く食い違った世界観を抱いている。とりわけ労働者階級に支配的な気分に関してそうである。世界が右傾化しているのと同じ程度に、大抵左翼の活動家らは左傾化し、ゼネストや蜂起を煽動している。現実との痛々しい衝突を避けるため、共産主義者は党派に基づく狭い視野を捨て、現在の世界情勢を真剣に研究し議論することが必要である。

第1部:世界政治の主要な傾向

状況を理解するには、我々は頭から始めることが必要である。世界政治を形作る主要な要因は、米国が世界舞台で演ずる支配的な役割と、その衰退しつつある経済力との間のますます広がる格差である。1990年代と2000年代における米国の無敵の支配力は、抑圧的だが安定した世界秩序を保証した。今や米国の求心力が弱まりつつあるなかで、ますます地域紛争が勃発し、世界経済は不安定になり、米国の支配者たちは、必死にその地位を維持しようとして、古いルールを引き裂いている。これこそドナルド・トランプの出番なのだ。

一体何をトランプは企てているのか?

過去1年間にわたって、トランプは敵味方の区別なく攻撃して、世界政治を揺るがしてきた。しかし、彼の行動には何らかの論理があるのだろうか、それともまったく一貫性がないのだろうか?多くの評論家がこの問題をめぐって思案してきた。厄介なのはその答えが両方だということである。トランプは、明らかに首尾一貫した計画を持たない能無しである。しかし、強い階級的直観を持った能無しでもある。彼は、米国がハード・パワーの大きな蓄えを持ち、その衰退を食い止めるため思い切った行動に出る必要があるのを理解している。それ故、優れた不動産王のように、彼は脅迫したり威圧したりして、得られるどんな利益も手に入れようとしている。攻撃した後でその反応を観察する。手に負えないなら、後退する。弱さを感じればさらに攻勢を強める。この手法は雑然としているが、グローバル・サウスの従属国や米国の同盟諸国から譲歩を引き出すには効果的だった。しかしながら、それはロシアや中国と対抗するには、役に立たないことが分かった。両国ともアメリカの脅威に立ち向かう物質的手段を持っている。

トランプが抱える問題は、米国国家が世界最大の力を保持しているのに、彼が望むように世界経済を再構築できないことである。何十年もの相対的な経済的衰退を反転させることもできない―少なくとも短期間ではできない。これが、トランプのばか騒ぎにもかかわらず、多くのことが変わらない理由である。根本的には、客観的な諸力、すなわち経済と戦争の結果こそ、歴史の主要な推進力なのである。核戦争を除けば、トランプがロシアによるウクライナでの戦争勝利を覆す手段はない。現在、関税で中国経済を窒息させる立場にもない。

オットー・フォン・ビスマルクはかつて次のように述べた。「政治家は自ら何かを創造することはできない。出来事を通して神の足音が響き渡るまで、待ち、耳を澄ませなければならない。そして、飛び上がって衣の裾を掴むのだ。」トランプは待ち時間を一切無駄にしない。なりふり構わずできることなら何でもやる。しかし大きな衝撃が差し迫っていて、歴史が前によろめく中で、トランプは世界で最強国家のかじを取っている。したがって、彼が代表する政治潮流、すなわち衰退する帝国主義支配階級の攻撃的な右翼ポピュリズムが、世界秩序の再構築において決定的な役割を演ずる可能性が高い。

中国は支配権を奪取していない

では中国はどうか? 中国は、世界秩序への来るべき衝撃において、重要な役割を果たさないのだろうか? 中国とその国際的舞台での役割は、世界政治において最も重要だけれども誤解されている要素の一つである。中国は、大多数の人には、米国に取って代わろうと没頭する、台頭しつつある超大国と見なされている。ある者はこれが進歩をもたらすと考えるが、他方ではその見通しに恐怖を覚える者もいる。どちらも根本的に間違っている。確かに経済的・社会的に中国の台頭は驚異的であり、広範な分野で米国支配に挑戦しているが、中国共産党は米帝国主義体制との対立を求めてはいない。むしろ、この敵対的な体制内で、漸進的な発展を続けられるという妄想を抱えているのだ。

中国国家の詳細な分析(「中国の階級的性格」『スパルタシスト』第3号、2024年10月を参照)を必要とするまでもなく、攻撃的で台頭する中国という話に何かがおかしいと気づくはずである。もし中国が世界支配の座を狙う若く力強い後継者なら、なぜ地球上のあらゆる国を脅迫し攻撃しているのは中国ではなく米国なのか?なぜ中国は米国に対抗する同盟を構築していないのか?なぜ中国がイラン、ベネズエラやパレスチナに帝国主義の侵略を撃退するため近代兵器であふれさせないのか?いや、そのいずれでもなく、中国共産党は「ウィンウィンの協力」や「多国間秩序の維持」について延々としゃべり続けている―一方でその主要な保証人である米国はそれを粉々に引き裂いているのだ。

中国共産党の擁護者やBRICS支持者は、中国が直接米国に挑まず賢明であるとよく主張する。彼らは、中国が新たな多極的経済秩序の基盤をゆっくりと、だが確実に築いていると強く主張する。この見解は二つの論点で誤っている。第一に、反資本主義革命によって確立された中国の社会体制と世界資本主義経済との間に根本的な対立関係が存在することを否定している。長期的には、国内的、国際的な資本主義経済諸関係は、中国共産党による「中国の特色ある社会主義」に有利に働くのではなく、それを掘り崩し破壊するだろう。第二の誤りは、米国が単に自らの墓穴を掘り、中国の台頭を保証するだろうと考えることである。これは衰退する米帝国がもたらす危険を軽視している。米国は、好き勝手にさせれば、計り知れない規模で困窮、混乱と戦争を広めるだろう。中国はこれから免れることができない。中国自身の発展、そして人類の発展は、米帝国を可能な限り素早く破壊することを要求している。

世界情勢をほんのわずかでも客観的に見れば、中国が衝撃や衝突を警戒し保守的な役割を演じている一方で、米国が崩壊と混乱の主たる要因であることは明らかである。それは台頭する帝国主義勢力が振る舞う仕方ではなく、ソ連邦のような官僚主義的に支配された労働者国家が振舞った仕方である。疑いもなく、中国は来るべき激動の世界政治において重要な役割を演ずるだろう。しかし保守的な政治的性格ゆえに、中国共産党は二番手の役割をしか演じず、トランプのように事態を方向付けるのではなく、それに反応し続けるだろう。

Z世代革命?

左翼の大部分にとって、反動の高まりと同様に大衆闘争の高まりが見られる。革命的共産主義インターナショナル(RCI)は「革命の9月」やら「世界情勢の劇的な転換」を口にしている。この楽観的な分析は、主に、Z世代革命と呼ばれてきた半植民地世界での蜂起の波に基づいている。過去数ヶ月の間に、ネパール、インドネシア、マダガスカル、モロッコ、ペルー、タンザニアといった国々では、全てに不満の爆発が起きた。

各運動にはそれ自身独特な政治的ダイナミクスがあった。しかしこうした運動は、全て根本的に、社会的流動性と発展が遠い見通しとなった世界で、若者の悪化した状況により引き起こされた。以前は、米国の秩序が経済的・民主的進歩への幻想を助長したが、同時に圧力弁として移住とNGO資金を利用した。これは完全に終わった。生活が成り立つ未来の見通しがないなかで、社会的な爆発が唯一のはけ口となっている。

最近の反乱(インドネシア、モロッコ、ペルーなどで)は、大規模な弾圧に直面し、マダガスカルの場合には、軍主導の新政権誕生につながった。今のところ、これらの国々では、左への急転換が起こったように思われない。そして、世界政治の規模において、Z世代の革命は依然としてマイナーな傾向に留まり、帝国主義的反動への一般的な流れを止めてはいない。

その主たる理由は、これら大衆による爆発が、そのエネルギーを進歩的な方向へと向かわせる政治的手段·組織が不在だったことにある。左翼はほとんどの場合に大衆蜂起に指導部を提供できていない。ネパールでは、蜂起は実際に、この国を統治してきた様々な共産党に対して向けられたものだった。スリランカでは、2022年の大衆蜂起が最終的に共産党主導の連立を権力の座に就けたが、この政権はすでにIMFに屈することで大衆の強い願望を裏切っている。

こうした蜂起における指導部の欠如によって引き起こされた問題は、組織化された労働者階級が主要な役割を果たしていないという事実によってさらに悪化している。実際、アジア、アフリカ、ラテンアメリカで社会的爆発が起こっているにもかかわらず、グローバル・サウスの産業労働者階級、すなわち世界のプロレタリアートの大多数は、いまだ増大した戦闘性の兆しを見せていない。このことは、悪化する産業労働者の経済的見通しに少なからず起因している。中国、メキシコ、インドネシアなどの国々で、プロレタリアートがその威力を誇示するなら、闘争にずっと大きな社会的重みをもたらし、世界政治を劇的に変えうるだろう。

これらの見解は、世界経済の末端にある国々を含めて、グローバル・サウスにおける革命的潜在力を決して軽視するものではない。世界が衰退するアメリカ帝国の混乱へと深くはまり込むなかで、こうした国々への圧力は増大し、十中八九来るべき時期の最も重要な革命的潮流となりうるものを発展させるだろう。最近の蜂起は大部分自然発生的であり、政治的にまとまりがなかった。しかし、弾圧や改良主義的解決策が大衆の怒りを封じ込めることができないなかで、最も先進的な分子は教訓を引き出すだろう。

マルクス主義者の任務は、グローバル・サウスの革命的闘士たちが過去の失敗から学び、統一した反帝国主義戦略の下に結集するよう支援することで、このプロセスを加速させることである(「永続革命の防衛」『スパルタシスト』第2号、2024年4月参照)。これには真剣かつ長期的で系統的な活動が必要である。残念ながら、革命的左翼によくありがちな実践は、大衆行動の高まりを応援したり、ある種の独立した労働者委員会を呼びかけたり、そして機会が後退するやすぐに今よりも活動が簡単な場所に移ったりすることである。こうした手法は幻想と冷笑を広め、グローバル・サウスにおける革命的闘争を組織するのに何の役にも立たない。

西洋における右翼ポピュリズム

西洋ではどうだろうか?我々はファシスト独裁の瀬戸際にあるのか、それとも革命が間近に迫っているのか?少なくともいまのところは、どちらでもない。ここでもまた、ヒステリックな印象主義を脇に置き、実際の政治的傾向を見なければならない。西洋全域で、打ち寄せるポピュリストの右翼の打撃により政治的中道が崩壊しつつある。この運動の強さは、概して過去数十年のリベラルな現状に断固反対する唯一の政治勢力だという事実に由来する。実際、ほとんどの主要な左翼勢力は、一方で時には言葉上では急進的でも、右翼に対して中道を支持することに完全にのめり込んでいる。これは右翼を阻止しないどころか、リベラル民主主義の崩壊と共に左翼も沈没するという構図を築いているのだ。

各国はこうした過程の異なる段階にある。米国とイタリアでは、右翼ポピュリズムがすでに政権を握っている。しかしながら、国際的にも国内的にも、こうした勢力は依然として、前時代の残党による政治的反対に直面しており、彼らの行動は妨害されているが、実際の挑戦には至っていない。ブリテン、フランス、ドイツでは、スターマー、マクロン、メルツといった中道政権は、うわべだけの存在で、抜け殻同然であり、右翼や左翼の双方によりも軽蔑されている。彼らは、その地位を維持するために、増々弾圧的で官僚的な手段に頼らざるを得ない。しかし、一つ一つの術策により、彼らは大衆をさらに遠ざけ、反動の台頭に拍車をかけるだけである。

一方、カナダ、オーストラリア、アイルランドなどの国々は、トランプ主義の傾向に抵抗すると思っている。カナダでは、米国の攻撃的な経済措置が、リベラルな中道勢力を一時的に強めてきた。アイルランドやオーストラリアは、これらの国が世界政治の大きな潮流から孤立することを願っている。問題は、これらの国々が全て、経済的にも軍事的にも根本的に米国に依存しており、反抗的な言葉にもかかわらず、そのエリートたちは屈従するということになる。共産主義者は、誤った安心感を信じ込むわけにはいかない。これらの国々でも、リベラルな中道が崩壊するのは単に時間の問題である。

…そして左翼の台頭?

でも左翼はどうだろうか? 上術した国々の多くは、左翼の上昇も見られる。すなわち、ニューヨーク市長としてゾーラン・マムダニの勝利、アイルランドの大統領としてキャサリン・コノリーの選出、ブリテンにおける緑の党とユア・パーティの台頭、最近のフランス、イタリア、ギリシャでのストライキなど。多くの人々にとって、こうした展開は、左翼の台頭が少なくとも右翼の台頭に匹敵することを裏付けている。残念ながら、この観点は間違っており、政治的動力学の誤った解釈に基づいている。

左への転換があったとしても、それは圧倒的にリベラルな中産階級や学生の層にある。その推進力は、台頭する右派への恐怖と、そして伝統的なリベラルが自身で擁護すると主張した価値観を裏切っていることへの怒りである。それは労働者階級の意識や戦闘性の根本的な高まりに基づくものではない。主要には、労働者階級は左へ動いているのではなく、右翼のポピュリスト諸党の基盤の重要な一部を構成しているのである。その他の層は意気消沈しており、それも反動勢力に利益をもたらしている。支配階級も右へと動いているため、左翼の進歩的諸勢力は自らを支える決定的な社会的基盤がない事態に陥っている。

さらに、左翼の大半は、労働者階級を社会主義へ導こうとする勢力ではなく、自由主義的帝国主義の最も一貫した戦闘的な擁護者として現れている―キャサリン・コノリー、ブリテンの緑の党、ドイツの左翼党がその代表である。間もなく設立されるユア・パーティーでさえ、急進的な労働者階級の綱領を採択する可能性があるが、その支持者や指導者の大半は、依然として伝統的なブリテンのリベラリズムにかなり固執している。これら全ての事例において、社会主義者の任務はリベラリズムとの政治的決裂のため、そして労働者階級への結び付きを構築する明確な方向性に向け戦うことである。

米国では、トランプが政権に就き、民主党が混乱するなかで、動力学はやや異なる。トランプの支持運動MAGAと民主党支配層の双方に対するマムダニの勝利は、他の国々の左翼運動と多くの類似点を持っている。しかしながら、少なくとも二つの主要な違いが存在する。第一に、マムダニは米国帝国主義の伝統的な二大政党制の枠内から現れた。民主党内の多くが彼に反対する一方で、彼は支配階級のどの「越えてはならない一線」も越えてはいない。すでに、バラク・オバマのような大物がマムダニに接触し、彼を体制内組織へ取り込もうとしている。第二に、マムダニの選挙運動は、実際旧来のリベラルの現状を擁護することに基づいていなかった。それは最小限の経済的要求を掲げ、移民、黒人の抑圧、トランスジェンダー問題といった社会問題にはほとんど触れていない。それ故、マムダニは、ヨーロッパの旧来型の政治家とは異なり、民主党の未来像を、すなわちより経済介入主義的で、あまり社会的にリベラルではない政治家像を、垣間見せているのかもしれない。

理解すべき重要なことは、マムダニがニューヨークの労働者階級の戦闘的な感情の高まりに乗って台頭してきたわけではないことである。大多数の労働者は、恐怖にさらされているか意気消沈しており、ある労働者は依然としてトランプを支持している。今のところ、生活のあらゆる面が悪化するなかで、労働者たちは、いまだ圧倒的に、生活を維持するために必死に働くことに関心がある。これは特に、移民労働者や黒人労働者に当てはまる。そして、中産階級や学生層の感情は重要ではあるが、マルクス主義者は、労働者階級の支持なくして、急進的な左翼政治の成長可能な基盤は存在しえないことを理解している。したがって、労働者階級の感情を理解し、それに応じて介入を調整することが、現在の時期における共産主義活動の中心でなければならない。

多くの人は疑いもなく、上述した概要への反論として、イタリアとフランスにおける最近のストライキを指摘するだろう。確かに、両国では重要なストライキ行動の日々が見られた―イタリアの場合は数十年で最大規模である。しかしながら、こうしたストは規則を裏付ける例外にすぎない。根本的に、イタリアとフランスの動向は他のヨーロッパ諸国と変わらない。中道は崩壊し、右翼が政権に就くか優勢であり、労働者階級のほとんどは右傾化して、リベラルな中産階級はパニックに陥っている。

フランスでは、伝統的な一日ストとデモ行進は、「全てを封鎖せよ」という都市の進歩的なメランション支持者による急進的扇動で補完されていた。しかし左翼は依然として劣勢である。反動的な国民連合はこれまで以上に政権獲得に近づき、労働者たちは2023年に敗北した年金改革反対闘争が原因でいまだに立ち直れない。これに関連して、ゼネストに向けた極左的扇動は、右翼と労働組合官僚の立場を強めるだけである。なぜならば、彼らは、現実離れした左翼とは対照的に、自らを安定の責任ある担い手として描くことができる。

イタリアに関しては、パレスチナ防衛のゼネストは力を誇示したものだった。しかし、多くの労働者は、こうした同じ組合指導者がボスやメローニ政権による攻撃に対して、いかなる真剣な闘争も行ってこなかった事実に憤慨している。さらに、10月のストはイタリアの政治的動力学を徹底的に変えたようには思われない。メローニは依然としてしっかりと権力の座に就いている。残念ながら、フランスとイタリアでは、最近の運動は、両国に根強いサンディカリズムの伝統に合致したものである。それはポピュリスト右翼に対する労働者階級の立ちあがりの最初の兆候ではなく、むしろ旧秩序の死のあがきのように見える。

ファシズムは間近に迫っていない

我々の分析は、ファシズムが差し迫り避けられないという意味なのか?いやちがう。偏見や右翼ポピュリスト勢力が台頭しているが、それはファシズムと同じではない。ファシズムは労働運動や抑圧された人々を押しつぶす準軍事的な動員から成っている。反動的な暴徒による人種差別の暴力は増大しているが、それは主に孤立した事件であり、20世紀のような組織化された大衆運動ではない。米国における移民・関税執行局の強制捜査のような、さらなる国家の強制捜索や権威主義に関しては、危険な傾向を示しているが、ファシスト体制に伴うあらゆる種類の政治的反対派の物理的破壊にまだ向かってはいない。

ファシストの暴力は、組織化した労働運動、そしてプロレタリアートの大部分を構成する抑圧されたグループやマイノリティを標的とするため、労働者階級からの抵抗に直面するだろう。ファシズムの台頭に必然性はない。我々の分析の要点は、敗北主義に陥ることではない。むしろファシズムと反動を阻止するには、我々が望む状況ではなく、実際の状況に基づく戦略が必要だと主張することである。

ここで、我々が強調しなければならないのは、実際不可避なのはリベラル中道の崩壊だということである。いかなる選挙での術策や官僚的な弾圧も旧体制を救うことはできない。ファシズムの危険に関して焦燥感に駆られた叫びは、左翼を現状維持の政治に結集するという絶望的な試みに過ぎない。溺れる者はわらをもつかむように、リベラルの中道は生き残りを懸け必死の試みで、左翼にすがりつくだろう。労働運動は沈む道連れにされるのを許してはならなくて、リベラリズムを蹴り飛ばすことで応じないといけない。

共産主義者にとって唯一の実際の問題は、リベラリズムの崩壊がいかに速く新たな革命的労働者階級の潮流の台頭に導きうるかである。この発展を加速させることに我々の努力を集中させなければならない。これには、もはやリベラリズムの左翼的補完勢力としての役割を演じないことが必要である。しかしそれにはまた、単に誰にも届かない革命的な空文句を叫ぶのではなく、具体的な政治的発展と関わることが必要である。そのとき初めて、マルクス主義者は労働者階級内に自身の独立した影響力を再構築し始めることができ、右翼の支配を掘り崩すことができるのである。

第2部:差し迫る衝撃

世界政治における主要な政治傾向のいくつかを明らかにした上、我々は将来に注意を向けることができる。現在の状況は極めて不安定なものである。複数の爆発しそうな火山が一触即発の状態にあり、世界秩序を再構築する恐れがある。今後における正しい政治姿勢には、こうした様々な緊張点の分析が必要であり、それらがいかに展開し得るか、それらが持つ政治的インパクトがどのようなものかを分析する必要がある。

中国:眠れる巨人

地政学的緊張の最大で長期にわたる源泉は、米国と中国との対立である。とは言え、これがまだすぐに爆発するようには思われない。米中間の関税戦争は、中国の立場がいかに強固なものになっているかを明らかにした(この事実は我々の最近の分析で軽視された)。中国が世界の産業生産を支配しているだけでなく、米国の軍産複合体にとって不可欠な希土類鉱物にたいしても強い支配力を有している。これにより米国は対中経済戦争で部分的に後退を余儀なくされ、従来の戦争を挑発する立場にもないことが明らかになった。米国は、こうした重要な経済的要衝の中国支配を避ける方法を探し出し、十中八九見つけ出すだろう。しかしこうした一連の作業には何年もかかるだろう。

もし中国が米国を打ち負かすことを意図しているなら、その優位性をどんどん利用し、米軍の供給網全体を麻痺させるのが当然である。しかしながら、すでに見てきたように、中国共産党はそうした意図を何ら持っていない保守的な官僚制の組織である。それは、代わりに、1年間の貿易協定に合意することにより、米国との関係を安定化させる道を選んだ。この合意がどれくらい持続するかは見てみよう。しかし、その間に、米国に供給網の不足問題に対処する時間を与え、弱い国々を自由に攻撃させる。つまりそれは、中国が将来痛い目に遭う可能性が高い展開である(「中国:何もしなければ、敗北する」、英語『Spartacist』第70号、2025年5月参照)。

標的にされたベネズエラ

最も差し迫った脅威はベネズエラに向けられている。ベネズエラは巨大な軍事増強の標的となってきた。米国とベネズエラの本格的な戦争があれば、ラテンアメリカ全体を大きく揺るがすだろう。米国がマドゥロ大統領の打倒に成功すれば、これは大陸で大きな政治的再編に導き、過去数十年にわたる民主主義的獲得物を失い、親米の右翼軍事独裁政権の時代を復活させるだろう。マドゥロ政権の崩壊はまた、キューバの労働者国家を著しくがんじがらめにするだろう。

ベネズエラに対する軍事的侵略は、限定的か全面的かを問わず、はっきりとした可能性がある一方で、米国がこれを回避したほうがいい理由も存在する。第一に、ベネズエラとの戦争は米国国内で非常に不人気となるだろう。そして大規模な地上侵攻には間違いなく大きな反対が起こるだろう。戦争が泥沼化する恐れがあるだけでなく、それが成功する保証もない。軍事的侵略は容易に裏目に出て、政権を支持する側にベネズエラ国民を結集させ、一方でまたラテンアメリカ全域で米国に対する大規模な反発をたきつけるだろう。

疑いもなく、国務省のある特定の人々は、アメリカの火力の威嚇だけで、マドゥロ政権を崩壊させるのに十分であると願っている。過去数十年に亘って、ウゴ・チャベスによって樹立され、現在マドゥロが率いる政権は、ベネズエラ大衆の革命的エネルギーを抑圧し、弱体化させてきた。これに加えて、米国の経済制裁による残忍な結果は、政権の国民的支持を絶え間なく弱め、政権を益々不安定で抑圧的にさせてきた。それでもなお、労働者階級にとって、マドゥロ政権が戦わずして降伏することは最悪のシナリオだ。それは、米帝国主義に最小限のコストでベネズエラの走狗に大勝利を与え、ラテンアメリカ全域の大衆の士気を大いにくじくだろう。

米国がどう行動に出るかは分からない。残念ながら、この場合には、トランプが全主導権を握っており、彼がやれることに当面ほとんど制限などない。しかし、いったん軍事的衝突が始まれば、それは取り返しのつかない状況で、結果は予測不可能となり、トランプに有利な結末とはならない可能性は十分にある。たとえ何が起ころうと、革命家は、ベネズエラを、そして米国が狙いを定めた、いかなる国々も、断固として防衛する立場に立たなければならない。

転換点を迎えたウクライナ

ウクライナ戦争に関して言えば、全く異なる状況にある。ここでは主導権はしっかりとロシアが握っており、プーチンはそれを最大限に活かすのに何のためらいもない。トランプの外交的な迷走は終わりを迎えた。ロシアが勝利しているという事実から、ごまかしなどなかった。最近の交渉は、この対立が、外交ではなく、武力で決着させることになるということを確認したに過ぎない。

戦闘によるロシアの確保地拡大のスピードは過去2年間で増しており、今や戦争は重大な転換点を迎えている。ポクロウシク市の陥落は主要な兵站拠点の喪失を示すだけでなく、戦争の震源地であるドンバスにおけるウクライナの全戦線の崩壊への道を開く可能性がある。ドンバス陥落はウクライナの重要な経済的動脈であるドニエプル川まで、ロシアが進軍する道を開くだろう。冬の到来とウクライナ軍の抵抗はもう数ヶ月間これを遅らせる可能性はある。しかし事態の成り行きは明らかであり、ロシアによる容赦ない攻撃の下で、ウクライナの戦線が崩壊するのはただ時間の問題にすぎない。

現在の展開は、ウクライナにとって、人的・物的資源の壊滅的で取り返しのつかない損失をもたらしている。この展開はまた、キーウで深刻な政治危機の舞台を整え、戦争遂行を掘り崩している。ウクライナの敗北の諸結果はウクライナで感知されるだけでなく、ヨーロッパ全体に政治的地殻変動を引き起こすだろう。ドイツ、フランス、ブリテンの諸政府は、ウクライナに膨大な軍事・経済・政治的資本を投入しており、その崩壊は政治体制の根幹を揺るがすだろう。その衝撃は米国でも感知される。しかし、トランプはヨーロッパ諸国の首脳より事態から多少距離を置いていることによって、利益を得るだろう。

ウクライナの軍事的崩壊後に初めて、外交がより決定的な役割を果たすだろう。問題は、米国とロシアが、親米ブロックとロシアの間の亀裂した戦線を少なくとも凍結させる合意ができるか、それとも対立が継続するかどうかである。前者のシナリオでは、米露協定に基づきヨーロッパに押し付けられる反動的な秩序を目にすることになるだろう。そしてその結果は、ロシアにとって理想的なものになるだろう。ロシアは現時点で、ヨーロッパ支配に向かう野心も経済的重みも持っていない。このような合意達成の主な障害は、米国がプライドを捨て、敗北を受け入れ、東ヨーロッパにおけるその影響力を後退させるのを、嫌がっていることである。米国はまた、ロシアとのいかなる実質的な妥協についても、ウクライナとEUから強い反対に直面している。

もし戦闘が続けば、それはヨーロッパを極めて不安定化させ、ついにはロシアとNATOの軍事衝突へと発展する可能性があり、その結果は壊滅的なものになりうるだろう。残念ながら、ウクライナとロシアの労働運動が民族主義に憶病にも屈服している(国際社会主義運動が全く援助していない)ため、この対立に対する労働者階級による解決の可能性は、現時点でありそうにないように見える。こうした状態は、深刻な危機の衝撃の下で、急速に変化しうるが、近い将来には厳しいものに思える。 これまで以上に、共産主義者はこの地域で革命的な極を築くことに向け活動し、共通の反帝国主義の綱領を通じてプロレタリアートを団結させなければならない(「ウクライナ戦争:現在どこに立っているのか?」『Workers Vanguard』第1184号、2025年4月参照)。

イスラエルは次の虐殺を準備している

10・7以降、イスラエルはパレスチナ人に対する大量虐殺の軍事行動を持続的にエスカレートさせてきた。「抵抗の枢軸」の分裂と政治的動揺ゆえに、イスラエルは「抵抗の枢軸」の各組織を個別に、そしてその自ら選択したタイミングで攻撃することができた。これによって、イスラエルが、軍隊を自力に合わず、過度に展開したにもかかわらず、2年もの間戦争を継続できたのである。現在、米国が仲介した停戦により、イスラエルは力を蓄え、一時的に攻撃を中断しているが、疑いもなく次の一連の虐殺を準備している。

我々は「抵抗の枢軸」にとっての結末を次のように要約することができる。ハマスは深刻な打撃を受けたが持ちこたえている。ヒズボラは張子の虎のように振る舞い、傷を癒している。アサド政権の崩壊は戦略的敗北であった。フーシ派は評判を高めた。同盟の主導的立場にあるイランについては、イスラエルと米国との12日間戦争を持ちこたえることができた。しかしながら、この地域におけるイランの立場は弱体化し、国内の緊張の高まりに直面している。

「抵抗の枢軸」が打撃を受けていないふりをしているにもかかわらず、きっと多くの者が次のように問うだろう。「我々の闘いと犠牲はそれだけの価値があったのか?」と。過去2年の結果を受け、敗北主義の結論を出し、米国、イスラエル、UAEに妥協すべきとの圧力が高まっている。こうした態度には断固として反対しなければならない。イスラエルと米国は、両国が中断せざるをえなくなるまで、この地域での虐殺を続けるだろう。抵抗するかどうかは選択肢ではない!最近の衝突はこの事実を裏付けており、いかに妥協や優柔不断がイスラエルによるより多くの虐殺へと導くだけかを示した。パレスチナの運動は、単に正義であるというだけでなく、西アジアにおけるアラブ人全体にとっての自己保存という自衛の問題でもあるのだ。

我々は、対立が依然として続いており、パレスチナ人がいまだ殺害されていることを明確しておかなければならない。すなわち激しさが減っただけで、再び爆発するだろう。その際、正しい政治的・軍事的教訓が引き出されているため、努力しないといけない(「停戦合意を葬れ!」『Spartacist』付録、10月8日参照)。このことは自動的に起こるものではない。共産主義者は、こうした教訓を引き出し、アラブ世界内外において、反シオニスト闘争の前衛分子にその教訓をもたらすことに尽くさなければならない。

破綻しつつある南アジア

南アジアは不安定化の増大により揺れている。スリランカ、バングラデシュ、ネパールではここ数年、大衆蜂起が起きている。カシミールでの緊張は一触即発の状態にある。ほんの数ヶ月前には、パキスタンとインドが戦争状態だった。最近ではアフガニスタンとパキスタンが交戦に及んだ。現在、ニューデリーとイスラマバード双方での爆弾テロに続き、再度緊張が高まっている。この地域の各国政府が、地政学的緊張と帝国主義の経済圧力の重みが増すのを感知するなかで、次に何が起こるかを予測するのは困難である。しかしながら、さらなる衝撃は確実にやって来る。インド亜大陸の人口と経済的重要性を考えると、これらは必ず世界情勢に重大な諸結果をもたらす。

南アジアにおける緊張の高まりは、それ自身大部分は増々緊張をはらんだ国際的状況の産物である。この地域の覇権国であり最も安定した国であるインド自体、増々圧迫されている。トランプとモディ首相との間の関係が急速に悪化したことは、インドの政治階級を驚かせ、動揺させた。多くの人は、インドが中国との和解を求め、米国に背を向けると推測している。しかしこうした見解には少しの信頼も置くべきではない。インドの資本家階級は、依然として、西洋諸国に深く組み込まれている。こうした結び付きを断ち切るには、はるかに深刻な危機を要するだろう。とりわけ、中国とインドとの諸関係は歴史的に極めて敵対的だったからである。

緊張がこの地域を脅かすなかで、左翼は、取るに足りない歴史論争を克服し、帝国主義と腐敗した資本家たちに対する統一した闘争の組織化を目指さなければならない。こうした資本家たちは、自国を帝国主義に売り渡し、人民を互いに対立させ争わせるのである(「南アジアの火薬庫」『Spartacist』第70号、2025年5月参照)。

決定的な要因:世界経済

世界政治の発展における最も重要な要因は、世界経済である。それは他の全てを根本的に下から支えており、その世界経済の状況の展開は一連の出来事の流れを形作るのに決定的だろう。次の大きな経済危機がいつ襲うかを正確に予測することは不可能だが、危機が近づいていること、そしてそれが壊滅的な結果をもたらすということは疑いようがない。

世界経済は2008年の危機から完全に回復してはいない。実体経済の全般的な成長は鈍化し、大半の国々の生活水準は停滞あるいは後退した。世界的な成長を下支えしている主な要因は、中国のインフラと住宅への膨大な投資であり、西側諸政府による自国経済への途方もない金融・財政刺激策、そして米国に集中した資産価格への投機的な熱狂であった。これら三つの要因のうち、今日まで続いているのは三番目の要因のみである。

中国共産党はインフラ投資のペースを遅らせ、住宅バブルを崩壊させて、市場を不況に陥れた。これに対応して、政権は「新たな生産力」に巨額を投資し、電気自動車や太陽電池パネルを含む多くの工業製品の価格を引き下げた。この大規模投資は中国にデフレサイクルを生み出し、世界の他の地域において脱産業化の傾向を加速させた。我々は、世界中で、生産の減速と工業製品の供給過剰を観察できる。

金融面では新型コロナウイルスのパンデミック後のインフレの急激な上昇を受け、主要経済国では金利が上昇した。これは2008年以来存在してきた超低金利政策からの決別を意味する。結果として借入コストはますます高騰し、多くの政府が財政赤字の抑制を迫られている。現在、ほとんどの帝国主義諸国は歴史的に高い債務負担に直面しており、これは将来的に重大な政治的・経済的不安定を引き起こすリスクがある。これらの問題は、軍事支出を大幅に増加させる動きによってさらに悪化している。

米国市場を中心とした株式バブルについては、トランプ政権初期の修正後も拡大を続けてきた。これにより株式保有者は高水準で消費し続けている。一方で、他のすべての人々は益々どうにか生活するために苦労している。いわゆるA I 革命によるハイテク株の急激な上昇が、株式市場の利益や増加を牽引する主要な、そして増々唯一の要因であり続けている。半導体設計会社エヌビディアの株式評価額は最近5兆ドルに達した。それはこの会社がドイツ経済の年総生産高に匹敵する価値があることを意味する。明らかにこれはばかげている。これまで、バブルは、A I企業の価値上昇を梃子にして、一層多くのA I製品を購入することで成長し続けることができた。そして評価額の上昇スパイラルを引き起こしてきたのである。これは必ずや破滅的な崩壊で終わるだろう。正確にこれがいつ起こるか予測することはできない。しかし、株式バブルを支えている諸要因が減少しているのを見ることはできる。それは、数が減少する上昇銘柄の持続的な成長に依存している。

音楽が鳴り止んだ時、我々は世界経済の真の状態、そして大国間の経済力の実際のバランスを垣間見るだろう。第一に、大きな衝撃は労働者階級の戦闘性の高まりに恐らくつながらないだろう。将来と自己保存への不安が広く行きわたり、政府は、支持率低下にもかかわらず、労働者を一層圧迫するだろう。この迫り来る経済的困難こそが、我々が労働者階級に防御的態勢を取る必要性を強く主張する主要な理由の一つである(「労働組合の闘士は何をなすべきか」『Workers Vanguard』第1186号、2025年8月参照)。

しかしながら、労働者階級が振り回されるのには一定の限界があり、集団的闘争が生存のため必要だとついには気付くだろう。特に経済が再び回復したとき、大規模な労働者階級の闘争の高まりを見るだろう。

反動期における革命家

共産主義者として我々は、主体的要素、すなわち個人や政党が自らの行動を通して歴史を形作る能力の重要性を認識している。1917年の十月革命のように、ある特定の諸局面では、革命的前衛の意識的な行動は決定的である。しかし諸個人の役割は、彼らが客観的歴史過程の発展の中に自身を位置づけるかぎり、決定的である。これを航海の世界に例えるなら、船が風をとらえることができれば、帆をどのように張るかを知るのが決定的であるのは明らかである。しかし風なくしては、航海は成り立たない。

では、階級闘争の風が我々の方向に吹いていない時期に、革命家は何をすべきなのか?確かに、これは我々が及ぼすことができる大衆へのインパクトを大きく制限する。我々は、自身の主観的な努力を通じて、大衆を闘争へと駆り立てることはできない。しかし、これは我々が重要ではないということではない。まったく逆である。困難な客観的諸条件の下では、我々がどこに労力を注ぐかを決めるのに、慎重にかつ意識的になることが、なお一層重要である。我々は将来の政治的展開を予期し、それに成功裏に対応できるよう自身の立場を定めなければならない(「マルクス主義左翼の危機とICLの任務」『Spartacist』第70号、2025年5月参照)。

疑いもなく、我々の分析は、大多数の人々からあまりにも悲観的すぎるとか、敗北主義だと見なされるだろう。そうした批判には肩をすくめるしかない。増大する反動に直面して、彼らの盲目的な楽観主義は、粗雑なマルクス主義の戯画に過ぎない。むしろ、我々は、トロツキーが述べたように、ボルシェビキ党の経験に依拠する。

「これらの無限の諸事件において、『トロツキスト』は歴史のリズム、すなわち、階級闘争の 弁証法を学んだ。彼らはまた、彼らの主体的計画と綱領をこの客観的リズムにいかに従属させ るべきかということを学んだ、しかもある程度まで成功的に学んだようである。彼らは歴史の 諸法則が個々人の好みに依存せず、彼ら自身の道徳的規準に従わないという事実に対して絶望 に陥らないことを学んだ。彼らは自分の個人的好みを歴史の法則に従属させることを学んだ。 彼らは、もしその力が歴史的発展の必要と矛盾しているならば、最も強力な敵によっても驚か されはしないということを学んだ。彼らは新しい歴史的高潮が他の岸へ彼らを連れていくであ ろうということを深く確信して、いかに流れに抗して泳ぐべきかということを知っている。す べてのものがこの岸に達するわけではなかろう。多くのものは倒れるであろう。しかし公然と 眼を開いて強い意志をもってこの運動に参加すること―ただこれのみが理性ある人に最高の道 徳的満足を与えることができる!」

——『彼らの道徳とわれわれの道徳』(1938年)