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以下の文書は、国際共産主義者同盟の第8回国際大会で採択されたものである。


階級闘争の偉大な時期は、資本家階級に対する共通の行動において労働者階級の運動を結束させる。反動の時期は逆の効果が生じ、民族、人種、性別、職能に沿って労働者階級内の分裂を悪化させる。こうした統一と分裂の循環は、労働者階級運動の最も政治的に進んだ部分、すなわち社会主義革命のために戦うと主張する政党や組織に反映されている。ソ連邦崩壊後の長い反動期において、マルクス主義左翼は、教義や徒党の違いを基に、これまで以上に、益々より小さな集団に分裂してきた。多くのグループが革命的指導部を装うなかで、問題なのは、革命的指導部とは何か?ということである。変化しつつある世界情勢のなかで、階級闘争が激化するにつれ、この問題への正しいアプローチは、革命のために戦うと主張する組織の歴史を批判的に見直し、革命的前衛を国際的に統一する基礎を確立するのに不可欠である。

革命的指導部の問題は、ほとんどの場合は、実際より複雑なものとされている。そして、マルクス主義のこの基本的な問題に関しては、ほとんど他の問題のように、『共産党宣言』における単純ではっきりした説明以上に良い返答はない。

「共産主義者が他のプロレタリア諸党と異なるのは、ただ次の一点においてである。共産主義者は、一方では、プロレタリアのさまざまな一国的闘争において、民族の別にかかわらないプロレタリアート全体の共通の利益を強調し、主張する。他方では、プロレタリアートとブルジョアジーとの闘争が経過するさまざまな発展段階において、つねに運動全体の利益を代表する。

「だから、共産主義者は、実践的には、すべての国の労働者諸党のうちで、もっとも断固たる、たえず推進していく部分である。理論的には、プロレタリア運動の諸条件、その進路、その一般的結果を洞察している点で、残りのプロレタリアートの大衆に先んじている。」

階級闘争の共産主義指導部は、全般的な国際情勢から個々の職場の具体的条件に至るまで、階級諸関係の科学的理解に基づかなければならない。ある指導部が共産主義の指導部であるというのは、心の純粋さ、抽象的な教義、又は「プロレタリアートの独裁」の必要性を宣言するからではなく、労働運動全体の客観的利益に最もよく合致する行動路線を打ち出す能力があるからである。最終目標、すなわち資本主義の打倒や国際社会主義秩序の樹立によって、導かれることが必要である。しかし、この目標に向けて前進するのは、与えられた時間と場所の生きた現実に立脚し行動する限りにおいてのみである。それは、その前進を妨げる主要な障害物を避けるのではなく、それと立ち向かうことによってである。

この理解から、ある党か集団の革命的性格を真に評価する唯一の方法は、諸事件の過程で、それが運動全体の利益のために戦うか、あるいは、全体の利益が他の階級勢力の利益とか労働運動の孤立した部分の狭い利益のために犠牲されるかどうかを判断することによってである。階級闘争が展開するたびに、党は労働者階級を指導する能力を試されるのである。トロツキーは、『十月の教訓』(1924年)のなかで、この一連の過程の内的作用を次のように述べている。

「革命的政党は他の政治的力の圧力によって左右される。発展のあらゆる与えられた段階において、党はこのような圧力に反抗し抵抗するような自らの方法を作り出す。戦術的転換とそれから生ずる内部的再編成と摩擦との間は党の抵抗力は弱められる。このことから次の可能性が常に生まれる、すなわち、戦術上の転換の必要に発した党内諸グループが、本来の論争の出発点を越えて発展し、もろもろの階級的諸傾向に対する掩護の役を果たすことになる。もっとはっきりいうと、自らの階級の歴史的課題とともに歩きつづけない党は他の階級の間接の用具となるか、ないしはなる危険をおかす。」

戦争、革命、そしてパンデミックなどの世界的大事件は、前衛に対する他の階級からの圧力を増幅させ、党の真の性格を最も明瞭に暴き立てる。

危機の時期は、革命党の最良の試練を提供する一方で、その結果は、それに先立つ時期の路線によって準備される。革命諸党は、戦争や革命の前夜に、どこともなく現れ出はしない。それは、絶え間なく続く過程での階級闘争の浮き沈みを通じて鍛えられるのである。反動期における活動の正しい路線のみが、革命闘争の勃発において成功の基礎を据えることができる。

簡単に言えば、革命党とは、労働者階級の解放を前進させるやり方で、諸事件を通じてこの階級を導くことができる党である。この基準によってのみ、国際共産主義者同盟の路線や革命的指導部を提供すると主張するその他の団体とか党の路線を判断しなければならない。